おすすめ小説1選!『ペンギン・ハイウェイ』森見登美彦
あらすじ
小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした。未知と出会うことの驚きに満ちた長編小説。
読んでないけど感想!(ネタバレがあるかもしれない)
2010年の日本SF大賞受賞作品。
この作者はコミカライズやアニメ化などされており、『夜は短し歩けよ乙女』は今年アニメ映画が公開されており有名ですね。
あらすじにあるとおり、主人公であり小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンが現れます。
その不可思議な現象の原因が歯科医院のお姉さんであることを知るぼく。
その謎を解明するためににぼくはお姉さんの研究を始めます。
不思議な世界観の中での少年の成長劇。
あらすじを聞いてそんなイメージを持った方もいらっしゃるかもしれません。
SF大賞を受賞していますので藤子不二雄的なすこしふしぎ系小説だと思って読み始めると度肝を抜かされるでしょう。
この作品のジャンルはホラーです。
SFという名の皮を被ったホラーなのです。
確かに世界観は不思議です。
動物を集めるお姉さん。
しゃべるライオン。
空飛ぶハウスキーパー。
現実とは少し違う不思議なキャラクター、不思議な現象が生じます。
しかしそれはあくまで世界観がSFチックというだけ。
実際はぼくが謎を解明するため観察という名のストーキングを行うという人間が結局一番怖い系のホラーです。
小学四年生という幼さが普通の過剰な好意を抱くストーカーとは違う怖さがあります。
彼の狂信的とも言える好奇心が引き起こす事件の数々。
ぼくは平然とお姉さんの家に忍び込みます。
お姉さんがぼくを家族のもとまで送りますが、送って帰宅するとまたそこにはぼくがいます。
どこに行っても視界の端にいるぼくの姿。
ノイローゼになり入院するお姉さんのもとにぼくからお見舞いの花束が...
ぼくの異常とも言える研究(ストーキング)。
次第に壊れていくお姉さん。
特にお姉さんがぼくを追い払うためにけしかけたペンギンたちを高速道路のパーキングエリアで食べるシーンが衝撃的でした。
だから『ペンギン・ハイウェイ』ってタイトルなんですね...
久々にホラー小説が読みたいなと思った人はこの不思議なホラーを読んでみてはいかがでしょうか?
毎度お馴染みこの作品も読んでいませんしたぶんジャンルもホラーでなくSFだと思うので怖い話は苦手だなという人も読んでみて下さい。
価格:691円 |